リウマチを知る
わが国日本では、約70万人が慢性関節と診断されています。およそ200人に一人が関節痛に悩まされているということになります。また、国民生活基礎調査(平成4年)によると、関節リウマチと診断されないまでも、手足の関節が痛むなどの症状がある方の人数は、日本全国で560万人にものぼるという報告があります。
関節リウマチは現代医学をもってしても今もなお原因不明であり、慢性進行性の関節炎のために運動機能障害におちいる難病といわれています。
関節リウマチを効果的かつ根本的に治療するには、その原因を理解しなければはじまりません。しかし、健康保険を使った一般的な医療の範囲内では、保険点数の問題で検査項目が10数項目程度に限定されてしまい、十分な検査を行うことができないために、関節リウマチの原因や体内環境を充分に把握することができません。
根本的な原因を把握することが難しいため、現代西洋医学における関節リウマチの標準治療は「対症療法」、すなわち炎症を沈静化させ、いかに痛みを軽減しコントロールするかが治療の主目的となっています。このために抗リウマチ薬や消炎鎮痛剤、ステロイド剤の投与、関節内ステロイド注入などの薬物療法、そして最終手段として手術療法といったことが行われています。
しかしこのような対症療法は、症状を抑えたりコントロールをしているに過ぎず、リウマチを「根本治療」をしているわけではありません。そして、残念ながら強力な薬物は、一時的には関節障害を止めるかもしれませんが、改善させることはなく、長期的にはほとんどの場合進行を止めることはできません。
しかしほんとうに、関節リウマチは本当に原因不明で、「治らない病気」なのでしょうか?
実は、そんなことはありません。
「ものごとには原因と結果がある」ように、リウマチという症状があるからにはそこには原因があります。
関節リウマチの真の原因を知って初めて、根本的な治療が可能となるのです。
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クリニックハイジーアでは患者様本来の元気をとりもどしていただくために、60項目以上の詳細な生化学検査をベースに、症状や状況に応じて特殊検査を行い、可能な限りの原因の追究を行っております。
その上で原因に即した根本的な治療を行い、様々な治療法、すなわち分子整合栄養医学、東洋医学、ナチュラルホルモン補充療法などに、必要に応じて西洋医学を組み合わせた、独自の統合医療を行っております。
関節リウマチは関節病変を主体とした病気であり、直接死にいたるわけではありませんが、さまざまな合併症を併発し、生命に危険を及ぼす病気です。
関節リウマチの患者様の平均余命は、健康人と比較すると、10歳ほど低下すると報告されています。
関節リウマチの経過と予後は、個人差が大きく異なります。 痛みをともなう関節炎が一過性でその後症状が出現しない患者様もいらっしゃいますが、ゆっくりと関節破壊が進行していく患者様がほとんどです。また、少数ですが、薬剤をつかう対症療法にまったく反応せず、急速に関節破壊が進行する患者様もいらっしゃいます。
骨の末端がとけていき、骨が短くなるムチランス型の関節リウマチは、関節が関節の役目をしなくなりますから、ADL(日常生活動作)の面で非常に予後が悪くなります。
そして、関節リウマチは様々な合併症を引き起こします。
亜型である悪性関節リウマチやフェルティ症候群は、血管炎を合併しやすく、血管炎は治療抵抗性で、最終的に内科的に重篤な病態になるケースが多くなります。
アミロイドーシスを合併すると、予後はたいへん悪くなります。アミロイドーシスとは、アミロイドと呼ばれる異常な繊維蛋白が臓器に沈着し機能障害を起こす疾患で、難治性下痢を生じ栄養状態を悪くし、進行すると腎機能低下、腎不全をきたします。現在のところ、アミロイドーシスに対する有効な治療法はありません。
また、関節リウマチは進行すると、ステロイド剤や免疫抑制剤を使用することが多いですから、その副作用のために免疫力が低下し、肺炎や気管支炎が起こりやすくなります。
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さらに長期にステロイド剤を使用すると、骨粗鬆症を引き起こす原因となります。長期投与によるステロイドホルモンのカルシウム代謝に関与する機構は現在も明確ではありませんが、骨芽細胞活性抑制、活性型ビタミンD合成抑制、副甲状腺ホルモン分泌亢進などが認められています。
ステロイド剤は、強力な抗炎症作用があり劇的な改善を認めますが、その反面副作用も必ず起こります。劇的な改善作用を持つ薬品は、通常は強い副作用を持つ「諸刃の刃」ですから、慎重に使用することが大切です。
表1 ステロイドの副作用と対策
副作用 | 対処法 | |
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(重篤な場合) | 易感染症 骨粗鬆症、圧迫骨折 糖尿病 動脈硬化、高脂血症 無菌性骨壊死 精神障害 消化性潰瘍 高血圧 副腎不全 白内障、緑内障 ステロイド筋症 | 抗菌薬の処方 ビス製剤、ビタミンK, ビタミンD 食事制限、インスリン使用 食事制限、HMG‐CoA 還元酵素阻害薬 免苛、外科的治療 抗精神薬、抗不安薬、抗うつ剤 胃粘膜保護薬、抗潰瘍薬 塩分制限、降圧薬 ステロイド、服薬指導 点眼薬、外科的処置 ステロイド減量 |
(軽症な場合) | ニキビ様発疹、多毛症、満月様顔貌、食欲亢進、体重増加、月経異常、皮下出血、紫斑、多尿、不眠、多汗、浮腫、低K血症 |
また、関節破壊は非可逆的であり、発症後の2年以内には、その破壊がはじまることがわかってきました。現在の薬物療法の原則は、早期に関節破壊を抑える効果が期待される抗リウマチ薬を用いることが多くなりました。しかし、年齢や合併症の有無、副作用などを考慮すると、抗リウマチ薬の選択には難しい問題が残ります。
表2 日本で使用可能な抗リウマチ薬と副作用
肥満と精神的に
抗リウマチ薬の副作用 |
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間質性肺炎、骨髄抑制、肝機能障害、腎障害 |
抗リウマチ薬による肺障害の特徴
DMARDs | 発生頻度(%) | 総投与量(1日当たり) | 発症までの期間 |
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金製剤(GST) D-ペニシラミン ブシラミン サラゾスルファピリジン メトトレキサート | 0.75~1.7 0.006~0.7 1.4 0.26 2.0~5.5 | 85~3,000㎎ 200~900㎎ 200~300㎎ 1~2g 2.5~15.0㎎/週 | 4~78週 18日~2年 2~6か月 2~15週 2~111週 |
抗リウマチ薬による腎障害の原因 |
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①金製剤 ②D-ペニシラミン ③ブシラミン ④ロベンザリット |
非ステロイド系抗炎症薬は、消炎鎮痛解熱作用を目的としており、関節痛や関節の腫れを和らげる効果があります。しかし、長期間の使用は、出血や潰瘍などの副作用をともないます。そして、最近では長期の使用が関節炎を悪化させることを示唆する研究結果も出されています。実際に長期間の投与で、関節炎の症状が重くなっていきます。それは、関節の周りの炎症は体が感染に抵抗するときに起こり、その炎症を非ステロイド系炎症薬が抑えることになるからです。関節痛の原因となる感染がある状態で、無理やり炎症を抑え込むので、感染は広がり、そして関節炎の症状が悪化するといわれています。
表3 非ステロイド系抗炎症薬の副作用の種類
(共通してみられるもの) | |
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1.消化器 2.腎、泌尿器 7.皮膚・粘膜 9.全身性 | 悪心、嘔吐、口内炎、逆流性食道炎、胃痛、胃重感、急性胃粘膜病変、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、下痢 腎機能低下、浮腫、乳頭壊死、間質性腎炎 肝機能障害、肝炎 高血圧、血管炎、虚血性心疾患の悪化 アスピリン喘息、急性肺水腫 めまい、頭痛、無菌性髄膜炎、難聴、健忘症などの精神障害 薬疹、多形滲出性紅斑、光線過敏症 再生不良性貧血、赤血球ろう、血小板減少、好中球減少、自己免疫性溶血性貧血 アナフィラキシー、発熱、薬剤性ループス |
(特異的にみられるもの) | |
1.アスピリン 2.インドメタシン 3.イブプロフェン、スリンダク 4.メフェナム酸 5.フェニルブタゾン 6.ピロキシカム | 耳鳴り、難聴、ライ症候群 ふらふら感、めまい、頭痛、パーキンソン症状の憎悪 無菌性髄膜炎 溶血性貧血 再生不良性貧血、無顆粒球症 光線過敏症 |
上記のように、現在の西洋医学に頼った治療は「対症療法」であり、関節リウマチを根本的に治癒させるものではありません。しかもその副作用は看過できないレベルのものです。
このような現代医療に伴うさまざまな副作用のリスクなどを考慮すると、現代西洋医学の関節リウマチ治療とはまったく異なった考え方で、関節リウマチ治療そのものを考え直す時期に来ているのではないでしょうか?
患者さんが、どんな治療を望んでいるのか?
従来の医療サイドからのみの視点でなく、患者さんの視点に立った治療が強く求められている時代がやってきたのです。
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